4人部屋の話
わたしの病気は、入院期間中、とにかく感染症になってはいけないので、その可能性の低いであろう部屋をあてがわれていました。
なのでかわかりませんが、
白内障の手術(1泊)
糖尿病の治療(3拍)
憩室炎の治療(4泊)
目眩症の方(2泊)
婦人科の手術、治療(3泊から1週間)
など、ほんとにさまざまな方々が、入れ替わり立ち替わり入院してから退院していきました。
基本的に入院中はテレビも音楽も、イヤホンで聞き、カーテンでピッチリ仕切られている状況で、他の患者さんとも顔を合わせることもなく、2.5畳くらいの部屋でずっと過ごしています。なので、部屋の中はとても静かです。
まるでわたしはいろんな人の話をカーテン越しに聞いてる牢名主みたいになっていました。
ふーんそうかー退院したところでお家事情も大変なんだなーとか、若いから、退院してもがんばれ!とか、お医者さんが説明してるの傍目で聞きながら、カーテン越しに感想を頭で述べて、耳年増のようになっていました。
あと、この病棟は、産婦人科と一緒になっていて、足慣らしで病棟を歩いてると、「オギャー」だの、まさしく陣痛中の「ひー!わー!痛いー!」だのが聞こえてきます。これだけ入院してると、いろいろなものを見聞きしたりして、やっぱり、ここは非日常なのねと感じます。
最後の時期の4人部屋は、帝王切開を控えた妊婦さんに囲まれて、これから生まれる赤ちゃんの心臓の音なんかも間接的に聞けて、若干幸せな気持ちになったりもしました。
逆に考えると、ずっとここで寝てたり、テレビを見てうふうふ笑ってたり、早朝から鉛筆を擦る音をカサカサいわせてたりしている私は、「この人いったいなんの病気なのだ、ずっとおるけどさー」と思われていたかもしれません。