個性的な文様から、なんとなくの印象は持っていたのですが、歴史含めて、文様の成り立ち、印象、特徴などを自分なりに考察を持って取り組んでいます。
口頭での伝承が多く、あまり、解明されていないこともあるようですが、現在保存されている着物、道具などは江戸、明治、大正時代のものが主なようです。
アイヌ模様は、モレウ(渦巻🌀模様)アイウシ(棘模様{←こういうものの連なり)シク(目紋◇)
などが構成されたもので、着物の上に布を刺繍で縫い付けたり、刺繍のみで施したりされています。
模様自体の意味、特徴など、長年研究されているようですが、基本的には下絵や、見本などには頼らず、直接自由に材料に刻していくようで、資料などをよく見ると、作品にもそれぞれの描き方に個性がみられます。
刺繍の模様をで辿ってみるとわかるのですが、自分が思っていた線の内側が表と思っていたものが裏だったり、裏だと思っていたものが表だったり錯覚のようなものを感じます。そして、その線は、何かの肉感のあるようなものの形の際(または影)を象っているような印象を受けます。
アイヌ模様は、具象的な(植物や動物)モチーフをほぼ使わないようです。
ですが、線自体がなにか具体的なモチーフを想定させるような、生きもののような複雑で有機的な感じがします。そういうところが、固定的な印象を持たせない、森羅万象をカムイ(神)とした意識を持っているところなのかもしれません。
小屋をつくるときは皮をむかずに柱を建てて家を作る。
何年かするとその木の皮がむけて、見ると
虫が通った痕がひどくきれいだったので
どうにかしたらいいのではないかと言われて月日がたったが、
利口な人達が着物の上にししゅうをしたらきれいだろうと言ったので、
上手な人達が考えてチカルカルイミという名の着物ができたのだ。
(月刊シロロ4月号より)
さまざまな本を読んでみて、特に印象に残った文章です。
なにかに感動して、そこから特徴を感じたりもらったりして、おのずと自分で様々なことを施していきたいと思うのはごく自然なことなのかもしれないなあと感じました。
どういう作品をつくっていけるのかはまだわかりませんが、
そこで得たもので自分なりの喜びや遊びを見つけられたらと思います。