2016年12月15日木曜日

よしなしごと.1

ちょっと仕事が落ち着いて来て、最近は、今年のうちにやっておきたかったことをひとつずつ行なっています。

三重の四日市へ、行ってみたかった展示をいろいろ見て回りました。

近代に生活の中で使われてた陶器製の産業製品に注目した展示をしていたBanko museum は、おそらく美術や芸術などとは範疇が違うところで作られたであろう陶器製のスイッチ、ヤカン、フック、アイロンなど、さまざまな工業製品がが展示されていました。
当初、産業として作られて来たものを、展示物としての別の光の当て方をされているものたちは、とてもデザイン性に富んでいて、しかし、意図せず手跡がいい具合に残されたものとして、その当時とはまた違った角度から見えるものがある、今のものつくりにひとつの提案をかざしてくれるような展示でした。
モノが溢れる現代となっては、ひとつのものが出来上がる過程も、さまざまな選択、方法がある中で、何を取捨選択して作って行くか、敢えて今、モノを作る理由を改めて問われるようなそんな展示を見ることができました。






そのあとは、短大時代に同級生だった陶芸家の稲崎栄利子さんの展示を見に目黒陶芸館、別館へ行きました。
短大時代からとても独特な手法で作品を作っていた稲崎さんは、そのあともより進化させて、発展をして、作品を作り続けています。
ひとつの作品に3ヶ月から半年ほどのの時間をかけて、とても細かいパーツをたくさん要素として取り入れた作品は、制作時間以上に若い頃からずっと作り続けてひとつずつ積み上げられた時間を感じさせてくれるものでした。
作品は長い時間をかければその作品がいいものになるわけではないけれど、作品自体に、押し付けがましくなく、ちゃんとそのもののチカラが見えるものは、少しも無駄な時間を過ごしてないんだなということを感じさせてくれるものでした。

作るからにはキチンとそこに力を注ぐ。
そうでないと作ってるものに意味はない。そう作り続けることは目の前の状況云々よりも確実に意義があると感じさせてくれる展示でした。

目の前のことで右往左往、慌てたり、焦ったりする毎日ですが、そんなことになりつつも、ちゃんと肚の下にしっかりとした熱いものを持ちながらわたしも頑張っていけたらなと思いました。