2021年1月20日水曜日

アイヌのこと


昨年いただいた注文の制作をしつつ、3月に岡山、牛窓の匙屋さんでアイヌ刺繍をされている方と2人展をするために、アイヌのことを勉強しています。

個性的な文様から、なんとなくの印象は持っていたのですが、歴史含めて、文様の成り立ち、印象、特徴などを自分なりに考察を持って取り組んでいます。
口頭での伝承が多く、あまり、解明されていないこともあるようですが、現在保存されている着物、道具などは江戸、明治、大正時代のものが主なようです。

アイヌ模様は、モレウ(渦巻🌀模様)アイウシ(棘模様{←こういうものの連なり)シク(目紋◇)
などが構成されたもので、着物の上に布を刺繍で縫い付けたり、刺繍のみで施したりされています。
模様自体の意味、特徴など、長年研究されているようですが、基本的には下絵や、見本などには頼らず、直接自由に材料に刻していくようで、資料などをよく見ると、作品にもそれぞれの描き方に個性がみられます。

刺繍の模様をで辿ってみるとわかるのですが、自分が思っていた線の内側が表と思っていたものが裏だったり、裏だと思っていたものが表だったり錯覚のようなものを感じます。そして、その線は、何かの肉感のあるようなものの形の際(または影)を象っているような印象を受けます。
アイヌ模様は、具象的な(植物や動物)モチーフをほぼ使わないようです。
ですが、線自体がなにか具体的なモチーフを想定させるような、生きもののような複雑で有機的な感じがします。そういうところが、固定的な印象を持たせない、森羅万象をカムイ(神)とした意識を持っているところなのかもしれません。


小屋をつくるときは皮をむかずに柱を建てて家を作る。
何年かするとその木の皮がむけて、見ると
虫が通った痕がひどくきれいだったので
どうにかしたらいいのではないかと言われて月日がたったが、
利口な人達が着物の上にししゅうをしたらきれいだろうと言ったので、
上手な人達が考えてチカルカルイミという名の着物ができたのだ。
(月刊シロロ4月号より)


さまざまな本を読んでみて、特に印象に残った文章です。
なにかに感動して、そこから特徴を感じたりもらったりして、おのずと自分で様々なことを施していきたいと思うのはごく自然なことなのかもしれないなあと感じました。
どういう作品をつくっていけるのかはまだわかりませんが、
そこで得たもので自分なりの喜びや遊びを見つけられたらと思います。






2021年1月12日火曜日

山の辺の道



奈良の天理から桜井に続く、山の辺の道の景色が好きで、たまに思い立って歩くことがあります。

とても寒い日でしたが、歩いてきました。




終点は大神神社

初詣ができました。







 天理市トレイルセンターにあった本

たまたまピックアップしたものの言葉に、思いがけず刺さりました。ものづくりの気概みたいなものをもらいました。


たまたま見つけたものとか、思わず受け取るものはいつも以上に嬉しい驚きと喜びがあるなあと改めて思いました。

思い立って出かけるものの醍醐味でもあります。





2021年1月2日土曜日

明けましておめでとうございます

2021年がはじまりました。
旧年中は、作品をご覧いただく機会を得ることができて、様々な方にご協力いただきながら、お陰様で制作を続けることができました。
どうもありがとうございました。

今年は昨年に撒いて出来た芽のようなものを育てていくような、自分なりの発展を遂げたいと思っています。
皆様も是非ともいい年になりますように。

どうぞ本年もよろしくお願いいたします!


宮内知子



 

2020年12月30日水曜日

年始よりブローチ展に参加します





 皆様、今年の年末はいかがお過ごしでしょうか。

私は毎年の帰省も今年はなく、いつもより少しだけ念入りに掃除をしたり、ゆったり過ごしています。

元旦2日より、出雲大社の近くにあるギャラリーにて昨年に引き続きブローチ展に参加します。
いつかは行ってみたい出雲大社。
様々なブローチが並びます。

2021年1月2日(土)~15日(金)
10:00~17:00

AntiWorks Gallery
〒699-0711
島根県出雲市大社町杵築南1342-8
0853-53-2965

2020年12月28日月曜日

個展終了いたしました。

©mizusai

 水犀での個展、空殻(しいな)が終了いたしました。

コロナ禍の中でもお越しいただいた方々、WEB上でご覧いただいた方々、遠隔ながらも様々な反応をいただけました。この場を借りてお礼申し上げます。

今回の展示に向けて、自分がどのようなものを表したいのか、制作を続けるにあたって次に向けての考えをどのように表明するのか、1年以上かけて取り組んできました。

自分がずっと木やいろいろなマテリアルと対峙しながら出来上がったものを、第三者に見せるということは、こういうことかと今回改めて感じさせてくれた展示でした。

それは、他の可能性や、自分が思っていた常識、非常識みたいなものの上書きというか、自由に取り組んでいたつもりのものも、実は案外縛られた中でいたこととか、そういうものをこれからは取っ払う(というまでにはまだいけませんが)作業の必要性を感じました。

型破りだと思っていたことが、案外狭い中で見ていたりして、自分の考えを表明すると、途端にいろんな声が聞こえて来ました。そういうのをあれこれ聞いてみると、わたしはまだまだやるべきことはいくらでもあるのでした。

なにせ、どこかで修業をするという経験もなく、いままでも自分で取捨選択して取り組んできたことなので、毎日、自問自答の日々は続くし、失敗もあるし、ものも売れたり売れなかったり、一喜一憂しながらの日々ではあります。

ですが、そんな中でも自分がやりたいことをやって、頑張って選んできたことをそのまま喜んでもらえるということはほんとに嬉しいことでした。もう少し自信を持って、もう少し偉そうに(笑)取り組んでいってもいいのかなあと思います。

星占いでは、これからは風の時代と聞きますが、今までのように周りの必要に応じてつくるのと同時に、自分の声に従ってつくるという作業がこれからもっと大切な時代になってくるような気がします。

これからも、自分の感覚、センスを信じながら、聞こえてくる声に合わせておもしろいものをつくっていこうと思います。

どうもありがとうございました。

 ©mizusai





2020年12月22日火曜日

小さいの追加しました



初日、2日目の在廊を終えて、帰宅してから、制作を再開して、小さな作品を何点か追加しました。

あと、22日、23日、24日と在廊予定です。


宮内知子「空殻(しいな)」
MIYAUCHI Tomoko exhibition
2020.12.12sun - 12.24.thu
12:00 - 19:00 ※最終日17:00まで


水犀


東京都台東区三筋1-6-2小林ビル3F
tel 03-5846-9118

都営浅草線蔵前A1出口より徒歩6分
JR浅草橋西口より徒歩10分

新型コロナウィルス感染予防に努めて開催します。









 


 

 

2020年12月18日金曜日

個展中です

©︎mizusai 

水犀での個展が開催中です。
毎日、インスタグラムより、美しい画像と共にご紹介いただいております。


初日、2日目と在廊いたしました。
いつもとは違う個展で、大変刺激をもらいました。
ギャラリーの方から、いろいろな作家さんの話を聞くと、ほんといろんなアプローチをされてる方がいるんだなぁと感じます。
自分がいままでやってきたこととかが、決して間違いではないけれど、他の見方はいくらでもあるし、秤は自分で決めればいいのだと教えてもらい、
視野みたいなものが一気に広がった気がします。
環境みたいなものは狭められたりする条件でもあるけど、考え方によっては身の置き方でどうにでもなるなぁ、と車の中であれこれ考えながら帰途につきました。

素敵な空間になりました。
とりあえず、ひとつの夢が叶った展示でもあります。
もし、お越しになれる機会がありましたら、是非ご覧いただきたいです。

また、22日、23日、24日に在廊予定です。

水犀のホームページでも映像とともに展示の様子をご覧いただけます。


オンラインでも一部ご購入いただけます。







 

2020年12月11日金曜日

明日より

展示の設営がほぼ終わり、明日から個展がはじまります。

設営の緊張感も楽しい時間でした。
なかなかお誘いづらい世の中ではありますが、大きな器が並ぶ空間をぜひご覧いただけたら嬉しいです。



宮内知子「空殻(しいな)」
MIYAUCHI Tomoko exhibition
2020.12.12sun - 12.24.thu
12:00 - 19:00 ※最終日17:00まで


水犀


東京都台東区三筋1-6-2小林ビル3F
tel 03-5846-9118

都営浅草線蔵前A1出口より徒歩6分
JR浅草橋西口より徒歩10分

新型コロナウィルス感染予防に努めて開催します。

在廊予定 12日(土)13日(日)22日(火)23日(水)24日(木)







 

2020年12月9日水曜日

個展に向けて

©mizusai




木工を始める前、何かをつくりたいと思っていたものの、素材は何がいいか、どうしたらいいか、日々悶々と過ごしていました。

立体を構成するための平面、立ち昇るような面、踏み固められた地面、ずっと、面の存在感みたいなものに惹かれてはいても、どうやってそれを表せばいいのかわからず、それでもつくりたいと思って、おもむろに木を彫りだしたのが、わたしの木工のはじまりでした。

そのころから、粘土を木に埋め込んでみたりして、素材を感じながら、表面を面としてどう存在感を持たせるのかみたいなことをずっと考えながら制作してきました。

今回、個展のための制作にあたり、漆、胡粉の他に、何かで表面にテクスチャをつくれないかと思い、日本画などで使われる土顔料を見つけました。

色をつけるというより、面を際立たせたいというのが目的で、木の凹んだところに土顔料を埋め込み、スプーンの裏で擦り付けると、土顔料と木に艶が出てきて、異素材でつくられた面が一体化してきます。

そして、器の口縁を薄く削ぎ落とすと、木の塊だったものが、殻のようなものに見えてきます。

「空殻(しいな)」という題名は、もともとは「秕」という漢字から、島崎藤村の「破戒」という小説に当て字として書かれた言葉を引用しています。

秕とは、実のならない籾(もみ)という意味。

今あるものを持って、そこに欠いたものを想像できないかみたいなことを思ってつけました。

そのあたりを、共鳴できたらとても嬉しいです。


 

2020年12月8日火曜日

作品できてきました


 12月12日(土)からはじまる水犀での個展作品ができてきました。

今回は点数などが予想できるような制作ではなかったのですが、ある程度の点数にまとまってきて、少しホッとしています。

オブジェ、壁掛け、食器、ブローチをつくりました。

いつもでしたら、こちらのブログやインスタグラムなどで展示前に作品をご紹介しますが、

サイズが大きい作品も多く、家ではなかなかきれいな写真が撮れなかったりするので、展示の様子でご覧いただけたらと思います。

この世相も踏まえて、お越しいただけない方にも、水犀のホームページやインスタグラムで個展の展示風景など写真でご紹介できたらと思っております。初日からオンラインでもご購入できます。

水犀webhttps://mizusai.jp/

水犀インスタグラムhttps://www.instagram.com/mizusai_/

私は12月12日(土)13日(日)22日(火)23日(水)24日(木)に在廊する予定でおります。

宮内知子 空殻(しいな)
2020年12月12日(土)~24日(木)
12:00~19:00(最終日は17:00まで)

水犀
東京都台東区三筋1-6-2小林ビル3F
都営浅草線蔵前A1出口より徒歩6分 JR浅草橋西口出口より徒歩10分
tel 03-5846-9118

2020年11月29日日曜日

個展のお知らせ 宮内知子 空殻(しいな)

 


宮内知子 空殻(しいな)
2020年12月12日(土)~24日(木)
12:00~19:00(最終日は17:00まで)

水犀
東京都台東区三筋1-6-2小林ビル3F
都営浅草線蔵前A1出口より徒歩6分 JR浅草橋西口出口より徒歩10分
tel 03-5846-9118

水犀web


わたしは短大で陶芸を勉強したのち、
25歳の時、木で器をつくれないかなと思ったのが木工をはじめたきっかけでした。
なにかを入れるためというより、器というカタチを持って表現できないかと思い、様々な種類の木を接ぎ合せ、合わせ木という手法で木の塊をつくり、そこから削ぎ落して大きな器をつくるようになりました。
今は、食器類などと並行しながら、アートピースとしての器をつくり続けています。
この度、大きな器を中心とした個展をすることになりました。
新しい表現方法として、様々な国の土顔料を使った作品をつくりました。

是非、ご予定いただけましたら幸いです。


今回、桜井ただひささんに撮影を、増田満(MAN STUDIO)さんにデザインを依頼してDMを作成しました。
取扱店、知り合いのお店などに置いてもらっています。ぜひお手に取ってもらえましたら嬉しいです。

もし、DM送付ご希望の方がいらっしゃいましたら、
までご一報ください。